- 2023.02.26コラム
- 【淡路島の工務店が教える住宅のとっておき情報】断熱等性能等級とは?
みなさん、こんにちは社長の原田です!
今回から何回かに分けて【淡路島の工務店が教える住宅のとっておき情報】と題してコラムを書いてみたいと思います。
第一回は断熱等性能等級についてです。
最近、みなさんも頻繁に耳にする住宅の性能というフレーズ。
街で見かける〇条工務店の現場には『住宅は性能』と大きな文字で書かれているのを目にした方も多いはず。
車の性能と言えば馬力や燃費ですが、住宅の性能って何でしょう?
ということで今回は住宅の性能の中でも耐震性と並ぶ重要な要素になってきた「断熱性」について今回はお話したいと思います。
夏の暑さ、冬の寒さをしのぐには断熱性の高い家が必要です。
断熱性はエアコンの使用を前提とする現在の住宅には不可欠なものとなっています。この断熱性の性能を表すのが断熱等性能等級です。
そこで今回は断熱等性能等級と断熱性能について解説しますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
断熱等性能等級とは、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)に規定された省エネ性能を表す等級のことを示したものであり、国土交通省が制定しています。断熱等性能等級はこれまでに何度も更新されており、2022年4月1日時点では5つのランクが設定されていましたが、同じく2022年10月1日から、新たに等級6、7が創設されました。
等級7 | 2022年(令和4年)10月1日施行。
暖冷房にかかる一次エネルギー消費量をおおむね40%削減可能なレベルの性能。 |
||||||||
等級6 | 2022年(令和4年)10月1日施行。
暖冷房にかかる一次エネルギー消費量をおおむね30%削減可能なレベルの性能。 |
||||||||
等級5 | 2022年(令和4年)4月1日施行。
断熱等性能等級より上位の「ZEH基準」相当が断熱等性能等級5になる。 断熱材や窓ガラスなどは、断熱等性能等級4以上に高いレベルの断熱が必要となる。 |
||||||||
等級4 | 1999年(平成11年)制定。
「次世代省エネ基準」といわれる。壁や天井だけでなく、開口部(窓や玄関ドア)なども断熱が必要となる。 |
||||||||
等級3 | 1992年(平成4年)制定。
通称「新省エネ基準」。一定レベルの省エネ性能を確保。 |
||||||||
等級2 | 1980年(昭和55年)制定。
40年前の基準なので省エネのレベルは低い。 |
等級1 | 上記以外 | ||||||||
断等性能等級はUA値で定められる熱
もう少し詳しく見ていくと断熱等性能等級は、「UA値(外皮平均熱貫流率)」という数値で定められています。UA値(ユー・エー)は算出方法の説明は割愛しますが、一言で言えば「室内と外気の熱の出入りのしやすさ」を表したものです。つまり、このUA値が小さいほど熱が出入りしにくく、断熱性能が高いということ。淡路島などの地域(6地域)に関して言えば、等級5ならUA値が0.6、等級6は0.46、等級7は0.26以下でなくてはなりません。
断熱等性能等級が上がると室内環境が快適になる
断熱等性能等級が上がるということはUA値が小さくなるということ。つまり、室内と外気の熱の出入りがしにくくなる、外気の温度が室内に伝わりにくくなる、ということです。これは要するに、夏は涼しく、冬は暖かく快適に過ごせる家になるということ。断熱性能にプラスして気密性能も高くなるとエアコンの効率も格段に高くなります。部屋間の温度差が少なく、結露やコールドドラフトも起きにくくなります。
断熱性能の高い家は補助金を受けられる
断熱等性能等級の高い住宅には、室内環境の他にもメリットがあります。その1つが、行政からの補助金。新築時に、国や県、市町村から補助金がもらえます。代表的なものには、こどもエコすまい支援事業や地域型住宅グリーン化事業など。多くは断熱等性能等級5を条件としています。住宅を購入する際には是非チェックしておいてください。また、これらの補助金はリフォームでも使える場合がありますのでリフォームされる方も要チェックです。
断熱等性能等級4が最低限の水準となる
2022年10月以降、等級が1から7までの7段階になったわけですが、法改正により、2025年4月以降はすべての新築住宅に等級4が義務づけられました。つまり、新築住宅に関しては、断熱等性能等級4が「最低限」の水準になるということです。昔に建てられた中古住宅で断熱性能の低い住宅は売れにくくなるかもしれませんね。住宅を購入される際には注意が必要です。
断熱等性能等級4でも十分ではない
断熱等性能等級4は、今の技術レベルではそれほど高い断熱性能ではありません。これは、長期優良住宅の基準が2022年の10月に断熱等性能等級4から等級5に引き上げられたことからもわかります。また、住宅金融支援機構のフラット35では、断熱等性能等級5レベルの新築住宅に対応したフラット35Sに加えてフラット35S(ZEH)も用意されました。35Sは断熱等性能等級の家、35S(ZEH)はZEH水準の住宅に金利が優遇されます。今後新築住宅では、等級5が標準になる時代がくるのは間違いないでしょう。
等級を上げると建築費用も高くなる
断熱等性能等級が高ければ高いほど過ごしやすい家になり、さらに補助金が受けられたり、金利が優遇されるメリットもあります。ただその反面、必要な断熱材の仕様や厚さ、サッシなどにも高い性能が求められます。当然それらは、建築費用にはね返ってきます。実際、どれくらい費用は変わるかと言えば。。。仮に、いま新しく建てようとしている2階建て住宅の断熱等性能等級が5だとしましょう。もし断熱等性能等級6を取得しようとすればプラス100万円、断熱等性能等級7を取得しようとすればプラス200万円以上。これくらいのコストアップは必要になると思われます。
住宅全体を考えると何千万円もの費用がかかるわけですので、100万円も200万円もほんの誤差に感じられるかもしれませんが、そこはいったん落ち着いて検討する必要があります。
断熱性能の高い家で快適にかつ光熱費を抑えてランニングコストが下がるメリット、それとコストアップによるデメリットを十分に比較検討してみてください。
住宅は人生最大のお買い物!買って後悔しないためにもしっかり勉強する必要がありますね。